工場から完成した製品が倉庫から実際に店舗に届くまで、製品を効率的に移動させるためのコンベアが必要になります。ここでは製品搬送用コンベアを製造している会社と、その製品の導入事例を紹介しています。
製品を運ぶためのコンベアに求められる条件は、「製品や製品が入ったケースやパレットを傷つけない」ことです。
搬送用コンベアを選ぶ時には、他にも次のようなチェックポイントがあります。
オーダーメイドできるメーカーを選びましょう。
2021年10月時点、公式サイトに製品搬送コンベアの事例があるメーカーを6社ピックアップし、目的別に各社の特徴とコンベアの事例をまとめました。
♦既製品ではカバーできないコンベアが欲しいなら…
金属加工業・食品製造業・リサイクル業・物流業界などで実績を重ねてきたコンベアメーカーです。設計から製作、据え付けまで一貫して自社で行えるため、オリジナルのコンベアを作ることができます。
半世紀以上にわたって、狭い建物や作業スペースが限られている条件でも効率的に活用できるミニコンベアを開発してきました。センタードライブ方式とヘッドドライブ方式のどちらにも対応できる上、作業環境の改善にも配慮しています。
担当者がクライアントからニーズについて詳しくヒアリングを行い、エンジニアを交えた社内会議によってコンベアの方向性や仕様、構想図が策定され見積が行われます。つまり、見積書をもらった時点でクライアントにとって適したコンベアシステムが提案されている点は重要です。
【コンベア事例】
粉体・顆粒・ペレットなどのさまざまな小物の垂直搬送に適したコンベア。バケットレスなので、搬送物がこぼれる心配がありません。
50~80kgの重量がある製品を運べるベルトコンベアです。搬送物に応じて、ベルトのタイプや機械構造などをカスタマイズできるので、製造業や物流施設などに向いています。
サンエイ株式会社
公式サイトで
食品搬送コンベアの
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♦生産ライン一式を作りたいなら…
マテリアルハンドリングシステムを得意とする椿本メイフランは、リフターや高速垂直移動棚、輪転機など、さまざまな「動かす機械」を製造できる企業です。
クライアントの業種や作業規模、搬送する製品の内容に応じて様々なコンベアシステムを提案しています。毎時1万個の仕分けを可能とするチルトトレイ式ソーターから、作業者の能力とオートメーションシステムのメリットを同時に反映する半自動対応コンベア、さらにそれぞれの製品に合わせた特化型の専用ソーターまで、選択肢が多いことは強みです。
また、省スペース化にも配慮したリニアモーター駆動の小型コンベアも用意されており、導入の際は最短1日で設置完了できるというスピードも魅力です。
【コンベア事例】
出版取次や倉庫など、本を大量に仕分けするために、コンベアを組み込んだ書籍専用の仕分け機(ソーター)です。傷つきやすい書籍を立てて低速で搬送でき、モーター音も低く作業環境が静かです。
ボール状のローラーが組み込まれたソーターで、ローラーコンベアと組み合わせて使います。小物から大物まで、搬送物を選びません。
椿本メイフラン
株式会社
公式サイトで
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マルヤス機械のミニベルトカーブコンベアは、長野発明協会主催「長野発明くふう展」で「科学美術長官奨励賞(1998年)」、クリップベアは「長野県知事賞(2006年)」に選ばれています。技術力に定評があるメーカーです。
マルヤス機械株式会社では日本全国に営業拠点を設置しており、業種業態の特性はもちろん、地域環境にも配慮したコンベアシステムを提案しています。
標準仕様でもクライアントの利用環境や作業現場に合わせられる、オーダーメイドのシステム製品も用意されており、検査装置や包装機器なども組み合わせた製品搬送ラインを構築できる点も見逃せません。
磁力の作用で搬送ローラーを駆動させて、摩耗による製品劣化や故障リスクを軽減させているレスベヤシリーズなど、独自技術の開発も進めています。
【コンベア事例】
マルチベヤシリーズは、物流ラインの変化に合わせて組み換えが可能なユニット単位のコンベア。直線部・カーブ・合流・分岐など、多彩な種類のコンベアがあり、いくつかを組み合わせて1台のモーターで動かせます。
小型のベルトコンベア「ミニシリーズ」はアルミフレームで軽量。標準型のコンベアと豊富なオプションを組み合わせるタイプなので物流ラインの変化に対応しやすく、コストパフォーマンスに優れています。
マルヤス機械株式会社
公式サイトで
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マテリアルハンドリングシステムが主力商品の三和コンベア。コンベアを中心に、ロボットや自動倉庫付帯設備など輸送に必要な設備を自社で製造しています。
3DCADを活用することで、導入前にどのようなコンベアがクライアントの求める環境下で製品搬送に適しているのか、具体的にシミュレーションします。また、生産ラインや搬送ラインの特徴に合わせたコンベアをプランニングし、リフト&キャリー方式搬送やシーケンサ制御などを活用して現場全体の効率性を向上させていることもポイントです。
電気制御関係の配線や使用部品はクライアントの設備標準を遵守してくれるため、導入後のメンテナンスなどについても効率的に進められることが魅力です。
【コンベア事例】
製造された食品の搬送に適している、衛生的なベルトコンベア。カーブする部分のユニットにモーターがついています。
ラインの変化に応じて長さを変えて使うことができるベルトコンベア。運ぶものの種類が変わりやすい倉庫などの使用に向いています。
三和コンベア株式会社
公式サイトで
食品搬送コンベアの
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♦カタログを見て手軽に仕入れたいなら…
オークラ輸送機のコンベアの特徴は、ユニットごとに自由に組み替えられること。スマートフォンなどから閲覧できるWEBカタログ、ダウンロードできるPDFカタログとCADデータがあり、種類も豊富です。
駆動コンベアやグラビティコンベアなど、取り扱っているコンベアの各シリーズを用途別に標準化することで、クライアントが迷わずに適切なコンベア導入を検討できる体制を構築しました。
軽搬送コンベア、ケース搬送コンベア、バーチカルコンベアなど複数のコンベアシリーズが展開されており、製造ラインの搬送用コンベアから製品の個包装ラインに対応したコンベアまで詳しく相談できます。また、マグネット駆動のコンベヤのように非接触型の駆動方式も選択できます。
【コンベア事例】
シンプルなローラーコンベアで搬送荷重は70kg/m。ストレートやカーブ、分岐など、さまざまなユニット単位のコンベアを組み合わせて、1台のモーターで駆動させることができます。
製品が螺旋を描く形で搬送される省スペース型のコンベア。搬送荷重は50kg/m(重荷重タイプは100kg/mまで)で、1時間に3,600個の荷物を運ぶことが可能です。
オークラ輸送機
株式会社
公式サイトで
食品搬送コンベアの
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東京証券取引所第一部上場企業の三機工業は、コンベア・搬送機器・システムの情報サイト「搬送.jp」を運営しています。200種類のコンベアがネット上で比較できるので、とても便利です。
様々な駆動方式や構造のコンベアが用意されており、軽量物をスピーディに搬送するものから、重量物の搬送や衝撃に対する耐久性を向上されたものまで作業内容に合わせたコンベアをプランニング可能です。
各素材に合わせてローラーのピッチやシャフトの形状を組み合わせられるため、それぞれの素材のメリットを追求しつつ、耐久性や機能性といった構造メリットを高められることが重要です。
プラン次第では、ローラー1本当たり1tの重量に耐えるコンベアも素材別に構築できます。
【コンベア事例】
モーターがついていないコンベアです。ローラーコンベアタイプ・ソロバンホイールコンベアタイプ・ホイールコンベアタイプ・アコーディオンコンベアタイプの中から選択が可能。素材もスチール・ABS樹脂・アルミなど種類が豊富です。
パレットやプラケース、段ボールの搬送に向いたローラーコンベア。ギャドモーター駆動タイプとモータローラー駆動タイプから選択できます。
三機工業株式会社
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課題を克服する搬送コンベアメーカーの選び方
コンベアによる搬送設備を整えることで、業務が飛躍的に効率化できたり、コスト削減に繋がったりと、自社の大きな武器になることが考えられます。そのためには、各社の特徴を把握し、課題解決につながるコンベアメーカーを選ぶことが大切です。
以下では、公式サイトに事例がある会社に注目し、各用途別におすすめのコンベアメーカーを紹介しています。(2021年10月調査時点)